絶対などない

~アンチジャニーズがKAT-TUN沼にはまって15年たちました&ときどき趣味のブログ~

4→3

タイトル通り、ごく最近の話なのでご存じの方には特にエピソード的に目新しいことは書いてないです。
ただ当時、自分の気持ちをちゃんと整理して消化することが出来なかったので、区切りとして書いておきたく…
なのでちょっと重たいというかエモいかもです…(;゜∀゜)



4人になったKAT-TUNはまた少し方向性を変えて、年齢とともに大人っぽい曲も多く手掛けるようになった。
好みの問題として私にはそれは歓迎すべきことだったし(この期に及んで言うのもなんだけど、そもそも当初のようなゴリゴリのジャンルはKAT-TUNが歌うのでなければあまり好きではなかった)個々のヴォーカル力をあげた4人のKAT-TUNは意外なほどバランスが良いと感じた。

それは偶然そうだったわけでなくそう見えるように彼らや周囲のスタッフが緻密な計算のもと演出したものだったと思うけれど、ともあれ音楽性だけでなくメンバーの脱退をおそらく意識して自虐的な笑いに変えてイジらせたりするのも最初はぎこちなかったものの段々板についてきて、6人から5人になったときと比べて格段に強くなった彼らを感じたし、メンバーのその様子や個々の気性を鑑みても、もう絶対に同じことは起こらないと思えた。
確実にチャンスをものにして冠番組もつかみとり、個人仕事も充実していった。
私には不安要素は一切なかった。

人数が少なくなった分それぞれのキャラクターもよりハッキリとしてきて、これまでKAT-TUNをグループとして応援する、とは言っていてもやはりどうしても亀梨くんに集中してしまいがちだった私も結果的に4人それぞれをより深く知ることになり、どのメンバーも本当に大好き!と思うようになった。
そうなるともうテレビを見ていてもLIVEに行っても楽しい。
どの方向を見ても好きな人がいるのだ。常に100%楽しくて、幸せだ。

思えば、私にとってはこの2014年~2015年にかけてが、KAT-TUNを好きになってから一番何の不安もなく幸せで楽しい時間だったかもしれない。

2015年春にたった2公演しか行われなかった「KAT-TUN LIVE 2015 in TOKYO DOME quarter」は4人のKAT-TUNの集大成ともいえるものだった。
初期の頃のKAT-TUNは若さもあってか「自分はこう見せたい」「こうやったらカッコいい」というような意識も強く、それはそれでファンを喜ばせるためという意味では変わりはないわけなのだけど、年齢を経てあるいはこれまでの経験を経てか、より「ファンが何を見たいか」「何を見せたら喜ぶか」という点に視点をおいていることを感じることが多くなってきたように思う。
この公演はそれを本当に実感し、幸せな気持ちになった。
ニュアンスの話なので説明が難しいけれど、ファンからの一方通行でなく、わかってもらってるな、大事にされてるな、というような感じ。

そしてタイトルモチーフにも使われた4分割の円形のように4人の姿はこの上もなく完全なものに思えて、これからもこの形が穏やかに続いていくものと信じて疑わなかった。

だからこのあとアリーナツアーが続くとされていたのが立ち消えになったことも、2015年夏~秋、恒例となると思われた京セラドームでの年末カウントダウンコンサートがなかなか発表されず、ギリギリになって最終的には後輩グループでの発表となったことも、不満ではあったけれど、他のお仕事のスケジュールの都合かな、とか、いま推されてるもんねあそこ、と拗ねるとかそんな程度だった。

そして何の前触れも感じないまま2015年11月24日を迎えた。
テレビ画面の中、あの真っ赤なコートを着た彼らがどこか固い表情でステージに立ったとき、嫌な予感がした。
そして促された田口くんがマイクを持つのをみて、「あ、結婚発表かな?」と前々から少しだけ心配していたKAT-TUNの次の転機が頭をよぎった。

けれど彼の口から出てきたのは、来年の春をもってKAT-TUNを離れ、ジャニーズ事務所を退社する、という嘘のような言葉だった。

自分の顔がサッと冷たくなったのを感じた。
もし鏡を見れば真っ青になっていたのかもしれない。意味がわからなかった。
まって、まって、なんで、なんでこうなっちゃうの。

異様な雰囲気のまま歌う彼らの出番が終わると、もう続きを見ることはできなかった。

翌日からはもう私も周りも感情の波にのまれた 。
その1か月ほど前からいまさらTwitterをはじめたばかりの私は自分にとって有益な情報とそうでない情報をより分けることもまだできず、毎日見も知らぬ他人の感情の余波をもろに受け続けたのも良くなかった。

私にとって何が一番ショックだったかってもちろん大好きな田口くんがいなくなってしまうという現実だけれども、多分それよりつらかったのは、こうなるまで自分が何の気配も感じることができなかった、 彼らが感じさせなかったことだったと思う。
それは彼らのプロ意識であったり、できればファンに何も感じさせないまま何事もなかったように事態を収束させられれば、と思う気持ちだったと思うし、全くそれは彼らが正しいのだけど、それはわかっていながらも余りにも完璧だったその態度にどこか疎外感のような、嘘をつかれていたような、裏切られたような気持ちになった。
いま思えば何の疑いももたなかったぶん感じた衝撃の、八つ当たりに過ぎなかったのかもしれないけれど。

それに田口くんがそんなことを言い出すなんて、私にとっては他の誰より想定外だった。
アイドルという仕事を天職だと語り、他のメンバーがやっているどんな仕事もやってみたいと目を輝かせ、いつだって楽しそうな笑顔をふりまいていた田口くんが、実はそんなことを考えていたなんて。

これまでとても近しく思っていた彼らが実は遠く離れた儚い虚構の存在にすぎないことをまざまざと思い知らされ、彼らの内側に立ち入ることなんて許されない私たちは、仮にこの先田口くんを除いた3人でがんばる、信じてくれと言われて活動を続けて行ったとしても心のどこかで、内心では裏側では何が起こっているのかわからない、いつまたそんなことが起こるかわからない、そんな目で見てしまうのではないかと思った。
そんな自分がつらかった。

やっぱり芸能人なんて好きになるもんじゃなかった、お金と時間を使ってわざわざこんな思いをするって。もうこれが潮時なのかもしれない、離れるまではいかなくとも、少し距離を置こうか…なんていう思いもよぎった。
でも、目の前にいる彼らから目を反らすこともできなかった。

そしてそのまま田口くんが脱退する「春」に向けて4人のままで活動を続けるという、「不思議な時間」を過ごすことになった。
それについては賛否両論あったけれど、もしかしたら契約問題等諸々解決してから脱退間際に発表でもよかったかもしれないところ、これまで脱退したメンバーのときには全てが終わってからの発表でお別れする時間も与えられなかったファンの気持ちを考えての早めの発表にしてくれたのかもしれない、と思ったりもした。

でもその一方で、目の前に変わらぬ笑顔と全力のパフォーマンスで存在し続ける田口くんに対して、相変わらず完全体に思える4人を見て、どういう感情を持ったらいいのか、戸惑いが消えなかった。

これまではそれ以前のKAT-TUNをなかば封印して新しい形だけを見るようにしてその都度やり過ごしてきた私だったけれど今回はそれができず、箱が半分開いたようなおかしな感じで過ごすことになり、田口くんへ向ける感情も日々あっちにかたむいたりこっちにかたむいたりしていた。
だからその頃の私のツイートはコロコロとスタンスが変わっておかしなことになっていたかもしれない 。
正直、いまでも田口くんに対してはその答えがしっかり見つけ出せてはいないと思う。

これまでの脱退と異なる点として前触れがなかったことに加え、田口くんが脱退する理由がいまひとつはっきりしないことがあった。
本人が口にする理由のほかにマスコミも色々なことを書き立てたけれどそのどれかに真実があったのかなかったのかわからないし、脱退してもうすぐ4か月が過ぎようとしているいまになっても、時々第三者のインスタグラムなどに登場する田口くんが何をしていて、これから何をしたいのかは、結局わからないままだ。

そしてこれまでは脱退が発表されると同時に残るメンバーでの活動が合わせて発表され、気持ちはどうあれ進むべき方向性が示されていたけれど今回はそれがなく、「春」以降グループ自体がどうなるのか不透明だった。
メンバーもそれまでの脱退ではファンを安心させるような力強いメッセージだったり決意を表明することが多かったけれど、それに比べると今回発表があったあとは発表以前が嘘のように弱気ともとれる言葉や戸惑い迷う気持ちを見せることもあり、それまでとは状況が異なることを感じさせた。

不安なまま年が明け2月、3人で4月からドームツアーを行うことが発表されようやく今後の活動の方向性が示されたと喜んだのもつかの間、その数日後にはそのツアーをもって期限を設けず充電期間に入るという発表がされた。

グループとして活動休止するのだから当然ではあるけれども、やっとつかんだ冠番組もつぎつぎ終わりが発表され、スポンサー契約もなくなり、悲しい寂しいという言葉では言い表せない気持ちになったけれど、この頃の自分がどういうスタンスでいたのか、たった数か月前のこと だというのに実はあまり覚えていない。
たださすがに脱退発表直後のショックからは立ち直り、涙腺はユルめながらも少しは冷静にものごとを見ていたような気がする。
あまりにも長く続くこの状態に、慣れというのか麻痺というのか、そういう感じだったのかもしれないけれど。


そしてひとつひとつ冠番組が最終回を迎えて行き、とうとう田口くんがKAT-TUNとして活動する最後のミュージックステーションの日がやってきた。
4人で最後の「Real Face」、そしてセットが変わるとそこには田口くんの姿はなく、3人での「君のユメ ぼくのユメ」。
途中上田くんの目から涙がこぼれたのを見たとき、私もこらえきれず泣いた。 5人になった時も4人になった時も泣かなかった上田くん。どんな気持ちで涙を流したのだろう 。

テレビの中の笑顔の田口くんには、もう会えないんだと思った。


KAT-TUNは3人になった。



と、思ったその数日後、わりとアッサリ笑顔の田口くんがインスタグラムに登場したんですけどね…(;・∀・)